長沼の蒸溜所
2021
北海道夕張郡長沼町
用 途:工場, 店舗
構 造:鉄筋コンクリート造+木造
階 数:地上2階
延床面積:858㎡
建築設計:武部建設株式会社+FURUSAN ATELIER
構造設計:山脇克彦建築構造設計
照明設計:Kaori Endo Lighting Design
構 造:鉄筋コンクリート造+木造
施 工:武部建設株式会社
撮 影:佐藤文昭
長沼の蒸溜所は、馬追丘陵に広がる約14ヘクタールの葡萄畑の麓に建設されたワイナリー兼蒸溜所である。年間4万本のワインを製造する醸造所に加え、ウイスキー等の蒸留酒の製造、物品販売・試飲等を行うスペース、事務所の機能を併せ持つことが求められた。敷地は標高120mに位置し、眼下に石狩平野が広がる景観に優れた傾斜地であった。
1階は鉄筋コンクリート造で、全体を醸造所とした。山側を地中に埋設させることで、ワインづくりに適した安定した温熱環境の形成を目指した。丘側は等高線に沿うことで両端に搬出入口を設け、通り抜けられる動線計画とした。2階は木造で、物品販売スペースと事務所を設けた。地形と同程度の勾配の片流れ屋根とし、風景に対して正対させ、石狩平野を一望できる場とした。傾斜地に合わせて雛壇状に断面を構成することで、各階とも地面に接し機能的独立を確保させ、雛壇部分は屋外テラスとした。物品販売スペースは、多様なイベントを行う多目的スペースと位置づけており、張弦梁を用いることで7間×6間の無柱空間を実現した。下弦材と束はカラマツ無垢材を用い、現しとした。束位置を一定間隔でずらすことで、見る角度によって表情が変わり、空間を特徴づけている。
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